特集


新刊書籍

2023/1/26

発掘写真で訪ねる 千代田区・中央区・台東区古地図散歩 ~明治・大正・昭和の街角~

千代田区・中央区・台東区の三区は東京23区の中でも有数の古い歴史を持つ。しかし、いま生きている世代にとって一番馴染みのある昭和戦後時代が消えているのは、時の流れとはいえ、感慨深いものであった。
著者が青春時代に馴染んだ三原橋地下街は埋め立てられ、その一部は通行人が一休みできるポケットパークになっていた。地下街は、三十軒堀が戦災の瓦礫処理で埋め立てられて生まれた。それから45年の歳月が流れた平成25年3月31日、地下街は閉鎖され、埋め立て工事が始まった。
三原橋地下街は学生時代からの20代、随分と通った。狭いながらも映画館が3館あった。ビンボーだった青春時代は、和洋の名作・ヒット作が周回遅れとはいえ、格安で見られたからだ。また、小料理とは名ばかりの一杯呑み屋もあった。若い時代には格好の空間だったのが、三原橋地下街だった。
もっとも銀座通りそのものも、いまでは多くの海外一流ブランドが建ち並んでいる。行き交う人も含めて馴染んでいた昭和の時代の銀座通りとは別物になったような観もする。

2022/12/26

近畿日本鉄道1960年代の写真記録

近畿、中京地区で広範囲に亘り鉄道網を展開する近畿日本鉄道。その歴史は明治時代の末期に設立された大阪電気軌道に端を発し、同社を中心とした地域鉄道会社との合併で綴られてきた。また各路線の開業延伸時等には地域の状況に寄り添い、時代を先取りした安全で利用者が快適に乗車できる車両を次々と投入していった。
昭和30年代は黎明期から時の最新技術を盛り込んだ新鋭車両までを、現役の車両として同時に本線上で眺めることができる、愛好家にとって至福のひとときであった。名阪特急に充当された10100系「ビスタカー」と戦前派の元特急用車両2200系が並ぶ様子を、大阪線の起点上本町駅で日常的に見ることができた。さらに軽便鉄道の施設で存続していた地方支線等では、当時としても古典の範疇に入れられそうな、創業期の車両が定期運用に就いていた。
関東在住の著者は職務の合間を縫って近鉄沿線を訪れ、主要路線が変貌していく様子や新旧車両を撮影された。ある年には元旦から線路際へ出向かれた。寒気の中で撮影を続けた姿からは、鉄道に対する熱い想いを窺うことができる。また1964(昭和39)年に廃止された三重電気鉄道松阪線を廃止前日に訪れ、駅や沿線の様子を克明にフィルムへ焼き付けている。そこに写っているのは廃止を目前に控えているにも関わらず、普段と変わらぬ姿で仕業に就く電車の姿だ。昨今のように路線の廃止、車両の引退を華美なお祭り騒ぎにしていないところには、消えゆくものよりも次の新しい世界へ目を向けようとする高度経済成長期下の時代性を感じ取ることができる。同年には東海道新幹線が開業し、日本の鉄道時間地図は都市圏へ向かって急速に集束し始めていた時代であった。

2022/12/21

昭和末期~平成のバス大図鑑 第1巻 東急バス

東急バスは1991(平成3)年5月に東急電鉄直営のバス事業を分社化して設立、10月から営業を開始しています。路線バス事業では一般路線バスの他に空港直通バスも運行しており、現在は東京都区内・川崎市内・横浜市内のいずれも東急線沿線を中心とした営業区域をもっています。本書は「昭和末期~平成時代」の約30年間に登場した東急バスの全型式を年代順にオールカラーで紹介。「バス大図鑑シリーズ」創刊の第1巻です。

2022/12/13

昭和30年代~50年代の地方私鉄を歩く 第14巻 甲信越の私鉄(3) 新潟県の私鉄 (昭和30年代~50年代の地方私鉄を歩く 14巻)

新潟県にはかつて4つの電気鉄道と、1つの非電化軽便鉄道が存在しました。電気鉄道の一つは戦後に電化した762mm軌間の軽便鉄道でしたが、廃止になる直前まで4~5両編成の電車が走っていました。
ところでご存じのように長野県川上村に水源をもつ大河千曲川は、新潟県下では信濃川と呼ばれ、新潟県の主要都市のひとつ長岡市を通って、県都新潟市で日本海に流れ込みます。この信濃川の流れが富を生み、新潟、長岡という二つの都市を形成したのだと思います。
ところが大河の流れにはいくつかの問題もありました。とくに私設鉄道にとって大河に橋をかけるという事業は経済的に負担でした。さらに官鉄が信濃川の対岸を走り、川の向う側に駅が作られると対岸の私鉄は厳しくなります。長岡鉄道は信濃川を渡ることができず、長岡駅の対岸に西長岡駅を作り、貨車の授受は国鉄線と連絡しやすいところまで支線を設けて貨車を通しました。新潟交通の場合は県庁に近い市の中心部に起点を設けましたが、人の流れを左右する国鉄新潟駅はやはり信濃川を渡らなければなりませんでした。一時期、市内線を延長し、新潟市内電車として計画が進んだ時期もありましたが、この計画は挫折します。その後も新潟交通は国鉄新潟駅乗り入れのため、色々策を練っていたようですが、最後に採ったのはバスとの連帯運輸でした。
もう一つの電車線である蒲原鉄道も当初から電車線でスタートした小さな鉄道で、都会から少し離れた村や町を結びました。路線は信越本線の加茂と磐越西線の五泉を結ぶ形で、途中の村松はこの地の中心地でした。農業地帯で頑張った鉄道に非電化の軽便鉄道、頸城鉄道自動車があります。「マルケー」の愛称で親しまれましたが、かつての百間町の車庫跡には、奇跡の復帰を遂げた車両たちが地元の人たちに見守られて健在です。
そのほか、越後の鉄道で忘れられないのが糸魚川にあった東洋活性白土の専用鉄道です。特筆すべきはそのトロッコを牽く機関車が蒸気機関車で、軌間が610mmであったことも鉄道趣味者を惹き付ける魅力になっていました。本書はそれらの鉄道の魅力と活躍を後世に残す内容です。

2022/11/28

富山県の鉄道 1960年代~北陸新幹線開業までの記録

富山県にはJR西日本、あいの風とやま鉄道、富山地方鉄道、万葉線、黒部峡谷鉄道、立山黒部貫光の6社の鉄軌道事業者があり、地方としては鉄道網が充実していて、特色ある地域資源や文化のひとつとなっている。各社は魅力的な観光列車を運転しており、それらへの乗車は旅の目的にもなっている。さらには北陸新幹線の開業で、東京からの所要時間が短くなって北陸への関心が高まったり、富山ライトレール(現在は富山地方鉄道に合併)の開業など、富山市が路面電車を活かしたコンパクトなまちづくりを進め、マスコミ等の報道で都市のイメージが向上していることも、近年、富山の鉄軌道が全国から注目を集める理由となっているようだ。
本書は、「鉄軌道王国とやま」の少し前の姿、具体的には1972(昭和47)年から北陸新幹線が開業し、長年親しまれたJR西日本の北陸本線があいの風とやま鉄道に移管される2015(平成27)年まで、約半世紀の富山の鉄道の様子を紹介している。中心となるのは1972(昭和47)~1980(昭和55)年の間で、モータリゼーションの爆発的拡大期にあたり、富山地方鉄道の笹津、射水線や富山軌道線の一部、加越能鉄道加越線などが廃止された。富山の鉄軌道にとって激動の時期でもあった。
いわば「鉄軌道王国とやま」の前史であり、今に生きる昔を紹介しているのが本書である。半世紀に及ぶ富山の鉄道の変遷を懐かしくご覧いただくと共に、富山の鉄軌道の魅力と、路線網が現在も残されている潜在的な価値と活用法について、思いを巡らせていただければと思う。

2022/11/26

1960年代~80年代 空から見た世田谷区・渋谷区・目黒区の街と鉄道駅

東京の街は、空に向かって延び続けている。そのひとつのピークが地上634メートル、2012(平成24)年の東京スカイツリーの誕生であることは誰もが認めるところだろう。しかし、この街の膨張はその後もとどまることを知らず、渋谷や八重洲、虎ノ門などで超高層ビルの建設が続いている。
そんな東京で地上333メートルの東京タワーが幅を利かせていた昭和の時代、新聞社などの航空機、ヘリコプターから街を撮影した写真を集めたのがこの本である。戦後の混乱から復興しつつ、数々のビルが立ち上がり、新しい道路が張り巡らされつつあった頃である。新聞社の腕利きのカメラマンは、東京各地の上空から新しい建物、道路に対してレンズを向けていた。まだ、戦災の爪跡は街のところどころに残っていたが、1964(昭和39)年の東京オリンピックを目指して、種々の建設工事、インフラ整備がいたるところで行われていた。その中で鉄道路線は高架に変わり、地下に潜った駅もあったし、高速道路(自動車道)が開通したのもこの頃である。
そんな現場風景を捉えた空撮写真のおもしろさは一体、どこにあるのだろうか。その答えはひとつではないはずだ。それは見る側の年齢、暮らしていた場所、地上から垣間見た当時の経験などが多種、多様であるからだ。もちろん、この時代に生まれていなかった方もいるだろうから、全く目新しい風景も多いことだろう。そんな新鮮な発見は、筆者も同じであり、多くの人にも等しく味わっていただきたいという願いをもって解説文などを認めた。さらに国土地理院が地図作成用に撮影した写真、当時の地図、戦前の写真、鉄道路線図なども載せて、内容は盛りだくさんに仕立ててある。空撮写真の魅力発見をお楽しみ頂きたい。

information


2023/01/26
新刊発売【発掘写真で訪ねる 千代田区・中央区・台東区古地図散歩
2022/12/26
新刊発売【近畿日本鉄道1960年代の写真記録
2022/12/21
新刊発売【昭和末期~平成のバス大図鑑 第1巻 東急バス
2022/12/13
新刊発売【新潟県の私鉄 (昭和30年代~50年代の地方私鉄を歩く 14巻)】